menu

抄録

第53回 日本リウマチ学会総会・学術集会 第18回 国際リウマチシンポジウム
2009.04.23(木)-26(日)
グランドプリンスホテル新高輪

マスト細胞を標的とした関節リウマチの新たな治療戦略―C5a受容体阻害剤(W-54011)によるマスト細胞制御療法の基礎的検討―

産業医科大学医学部 第一内科学講座
○湯川宗之助、澤向範文、齋藤和義、山岡邦宏、徳永美貴子、田中良哉

抄録全文:マスト細胞はRA関節滑膜に多数存在し、盛んに脱顆粒することにより炎症性メディエーターの重要なソースとなる。RA滑膜に沈着する免疫複合体は活性化補体C5aを齎し、関節液中のC5aはRA疾患活動性と相関する。我々は活性化補体C5a-マスト細胞活性化経路の制御に着目し以下の検討を行った。ヒト臍帯血由来マスト細胞とRA線維芽細胞を共培養させることにより、C5a受容体が強く発現誘導されることを確認した。C5aは0.1 nMからこの共培養マスト細胞を遊走させ、10 nMから非IgE依存性に脱顆粒を齎すことを、CCDカメラを用いた細胞撮影装置にて明らかとした。更にこれらの遊走及び脱顆粒は、低分子化合物であるC5a受容体拮抗薬(W-54011)にて濃度依存性に阻害された。以上、RA関節滑膜内のマスト細胞の集積及び非IgE依存性の脱顆粒機序としてC5aが重要な役割を演じていることが示唆された。C5aを標的としたマスト細胞制御療法によるRAの新規治療概念を提唱する。